ナイジェリア軍、76人の人質解放 カツィナ州
カツィナ州政府は声明で、「この空爆はテロ組織の壊滅と誘拐された子供を含む市民を解放する作戦の一環として実施された」と明らかにした。

アフリカ西部・ナイジェリアの治安部隊が北西部カツィナ州の武装勢力拠点を捜索し、少なくとも76人の人質を解放した。現地当局が24日、明らかにした。
空軍は前日、この地域でテロ組織を対象とする空爆を行っていた。
カツィナ州政府は声明で、「この空爆はテロ組織の壊滅と誘拐された子供を含む市民を解放する作戦の一環として実施された」と明らかにした。
また同政府は「解放された人質の中には50人が殺害されたモスク虐殺事件で拉致された人々も含まれていた」と述べた。
この事件はカツィナ州郊外の人里離れた集落にあるモスクで19日早朝に発生。地元で「バンディッド」と呼ばれる盗賊団の犯行とみられ、朝の礼拝に参加していたイスラム教徒50人が殺害された。
地元メディアによると、1人の子供が空爆に巻き込まれて死亡したとみられる。
中央政府と軍はコメントを出しておらず、どの組織が標的となったかも不明である。
ナイジェリアの北部地域では土地や水資源へのアクセスをめぐる抗争が多発しており、遊牧民と地元住民が頻繁に衝突。襲撃事件に発展することも珍しくない。
カツィナ州では先月、このような襲撃事件で少なくとも150人が死亡した。
専門家によると、バンディッドと名乗る組織は全国に複数存在し、その多くが遊牧民で構成され、イスラム過激派の支援を受けている組織も存在するという。
軍は先週、北部地域における8カ月間の対テロ作戦で過激派やテロ組織の兵士592人を殺害したと発表。24年の戦果を上回ったと強調した。
ナイジェリア北中部では西アフリカ最大のイスラム過激派ボコ・ハラムやその関連組織「イスラム国西アフリカ州(ISWAP)」など、数十の過激派や武装勢力が活動している。