ナイジェリア学校襲撃、当局が拉致された生徒100人救出
この事件は11月21日に発生。聖マリア学校(中等学校)の寮に武装兵が押し入り、男女合わせて303人の生徒と12人の教職員、計315人を拉致した。

ナイジェリア中部ナイジャ州で正体不明の武装集団がカトリック寄宿学校を襲撃した事件について、政府は7日、100人の生徒が救出されたと明らかにした。
この事件は11月21日に発生。聖マリア学校(中等学校)の寮に武装兵が押し入り、男女合わせて303人の生徒と12人の教職員、計315人を拉致した。
首謀者の正体や動機は明らかになっていない。事件から24時間以内に50人の生徒が自力で逃走し、家族のもとに帰ったが、残る265人(子ども253人、教職員12人)は行方不明のままであった。
今回解放が報告された100人について、どのような手段で救出が実現したか、またその身元や健康状態、解放までの交渉内容など詳細は公表されていない。
このニュースはナイジェリアにおける学校・子どもを標的とする大量誘拐事件の深刻さを改めて浮き彫りにするもので、2014年のチボク事件を想起させる。警察・軍など政府の安全保障機関に対する信頼は揺らぎ、多くの地域で学校が閉鎖される事態が起きている。
一方で、当局は今回の解放を「政府と治安機関による大きな成果」「喜ぶべき良い知らせ」と評価した。ただし、「こうした事態に対して受け身にならざるを得ない状況は好ましくない」とし、抜本的な対策の必要性を強調している。
政府は今後も残る子どもや教職員たちの解放に向け努力を継続すると見られている。しかしながら、多数の子どもたちの拉致が相次ぐ現状は、ナイジェリア社会が抱える深刻な安全保障の課題と、教育の継続という国の未来に対する重大な脅威を改めて示している。
