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ナイジェリア教会襲撃、国軍が人質31人を救出、死者も


ナイジェリア北中部では近年、「バンディット」と呼ばれる武装集団による襲撃や誘拐が頻発している。
2021年7月25日/ナイジェリア、カドゥナ州、解放された女子高生と母親(Getty Images/AFP通信)

ナイジェリア北部カドゥナ州で発生した教会襲撃事件について、国軍は5日、武装集団に拉致された市民31人を救出したと明らかにした。

事件はキリスト教の復活祭(イースター)の礼拝中に発生、複数の死者も確認されており、地域の治安悪化が改めて浮き彫りとなった形だ。

軍によると、襲撃は州都カドゥナ郊外の集落で発生。正体不明の武装集団が教会を急襲して住民を拉致した。軍部隊がその後の作戦で人質31人を救出したものの、現場では少なくとも5人の死亡が確認された。軍は現在も逃走した武装集団の追跡を続けているとしている。

一方、地元のキリスト教団体関係者によると、集落内の2つの教会が同時に攻撃を受け、死者は計7人に上るとの情報もある。また、拉致された人数についても全容は明らかになっておらず、現在も調査が続いている。

ナイジェリア北中部では近年、「バンディット」と呼ばれる武装集団による襲撃や誘拐が頻発している。この集団は農村や学校、宗教施設などを標的とし、住民を拉致して身代金を要求する。特に森林地帯を拠点とするため掃討が難しく、治安当局にとって大きな課題となっている。

今回の事件が発生したカドゥナ州でも、教会や学校を狙った集団拉致が繰り返されており、今年に入ってからも多数の信者が連れ去られる事件が報告されている。軍は掃討作戦を強化し、人質の救出に成功した事例もあるが、根本的な治安改善には至っていないのが現状である。

ナイジェリア政府はこうした暴力行為が特定の宗教を狙ったものではなく、金銭目的の犯罪であるとの立場を示しているが、宗教施設が繰り返し標的となっていることから、国内外で懸念が高まっている。今回の事件でも復活祭という宗教的に重要な時期が狙われた可能性があり、住民の不安は一層強まっている。

軍は引き続き地域の治安確保と犯行グループの壊滅に向けた作戦を進めるとしているものの、広大な農村地帯と複数の武装勢力の存在が対応を困難にしている。人質の救出という成果の一方で、一般市民を巻き込む暴力の連鎖をいかに断ち切るかが、同国の大きな課題となっている。

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