◎野党は開票結果を「偽物」と呼び、再選挙を要求している。
ナイジェリアの選挙管理委員会は28日、大統領選の結果を公表し、与党・全進歩会議(APC)のティヌブ(Bola Tinubu)候補が勝利したと発表した。
選管によると、ティヌブ氏の得票率は36%。最大野党・国民民主党(PDP)のアブバカル(Atiku Abubakar)元副大統領は29%、新人のオビ(Peter Obi)氏は25%だった。
野党は開票結果を「偽物」と呼び、再選挙を要求している。
ティヌブ氏はナイジェリアで最も裕福な政治家のひとりであり、知事時代に最大都市ラゴスを再建した実績をアピールし、支持を集めた。
しかし、ティヌブ氏はラゴスを含む主要都市で二大政党に割って入った新人のオビ氏に敗れた。
ティヌブ氏は保守的な地元の南部州で票を集め、オビ氏に差をつけた。
ナイジェリアの大統領選で勝利するためには、全36州と首都アブジャの3分の2で得票率25%以上を集め、かつ最多得票となる必要がある。この条件を満たす候補がいない場合は上位2人の決選投票に移行する。
ティヌブ氏は「マイターン(私の番だ)」というスローガンを掲げて選挙運動を行った。
ブハリ(Muhammadu Buhari)大統領は経済の停滞、北東部に拠点を置くイスラム過激派の反乱、南東部で活動する武装勢力による誘拐・暴力事件など、国中で高まる不安に翻弄され、まもなく2期8年の任期を終える。
アナリストは誰が大統領になってもこれらの難題に対処することは困難と指摘している。
ティヌブ氏はかつての軍事政権と戦い、亡命。1999年の民主化運動の創設メンバーのひとりであり、「ナイジェリアの平和と民主主義を確固たるものにする」と誓い、選挙戦に臨んだ。
ティヌブ氏はブハリ氏を大統領に押し上げ、常にその後任として有力視されてきた。
これまですべての主要政党は、2億1千万人が生活する広大な国土で幅広い支持を得るために、南部のキリスト教徒と北部のイスラム教徒で大統領選のチケットを分けていた。
ティヌブ氏は崩壊しつつある経済、治安の改善、そして選挙結果が示すように、宗教で分断されつつある国をひとつにまとめ上げる必要がある。