◎ナイジェリアでは発電所、変電所、送電鉄塔の老朽化が進み、このようなブラックアウトが頻繁に発生している。
ナイジェリアの発電所が火災で損傷し、大規模停電が発生した。同国の送配電会社が14日、明らかにした。
それによると、停電エリアは全国36州と首都アブジャの一部地域におよび、最も長い地域で約10時間停電したという。
国営送配電会社EEDCはX(旧ツイッター)に声明を投稿。「14日未明に主要な火力発電所で火災が発生し、周波数の急激な低下により、送電網に障害が生じた」と説明した。
火災は数時間後に鎮火し、停電の大部分は解消したとみられる。
大統領府の報道官は14日、「電力会社に火災の原因を究明し、安全対策の見直しを含む必要な措置を取ったうえで、詳細を報告するよう命じた」と明らかにした。
ナイジェリアでは発電所、変電所、送電鉄塔の老朽化が進み、このようなブラックアウトが頻繁に発生している。
ナイジェリアはアフリカを代表する石油輸出国のひとつだが、電力設備の整備に苦労している。
地元メディアによると、同国で生活する約2億1000万人が1日に必要とする電力量は約3万メガワット。これに対し、発電量は1日平均4千メガワットにとどまり、数千万人がガソリンを燃料とする発電機に頼っている。
今年就任したティヌブ(Bola Tinubu)大統領は数十年続いた低中所得者層向けの補助金を打ち切り、結果、ガソリン価格は今年に入って2倍以上に急騰。多くの家庭や企業が電気の確保に苦労している。