ナイジェリア石油労組、ダンゴート製油所へのガス供給停止を指示、組合員解雇受け
ダンゴート製油所はアフリカ最大級の製油所。大富豪アリコ・ダンゴート氏率いるダンゴート・グループが運営している。
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アフリカ西部・ナイジェリアの石油労働組合PENGASSANは27日、数百人の労働者が解雇されたことを受け、ラゴス州にあるダンゴート製油所へのガス供給を遮断するよう組合員に指示した。
ダンゴート製油所はアフリカ最大級の製油所。大富豪アリコ・ダンゴート(Aliko Dangote)氏率いるダンゴート・グループが運営している。
ロイター通信は情報筋の話しとして、「労組はダンゴート経営陣が組合員数百人を不当に解雇したことや、それを誤報、プロパガンダと呼んだ経営陣を非難し、必要な措置を講じた」と伝えている。
PENGASSANの書記長は「ダンゴート製油所に通じるバルブを閉鎖せよ。同所向け船舶への積載作業を直ちに停止せよ」と組合員に指示した。
地元メディアは今週、ダンゴート・グループがナイジェリア人労働者を解雇し、インド人を含む外国人労働者を雇ったと報じた。同社は解雇について、安全性と操業効率の向上を目的とした再編の一環と説明している。
ダンゴート製油所はPENGASSANの遮断指示に関するコメントを出していない。
ナイジェリアの石油産業は同国経済の中心的役割を果たしており、政府歳入や輸出収入の大部分を占めている。1956年にニジェール・デルタ地域で原油が発見されて以来、石油はナイジェリアの主要産業となった。
産油量はアフリカトップクラスであり、OPEC(石油輸出国機構)の一員でもある。主な油田は南部のデルタ地帯に集中しており、外国企業との合弁によって開発が進められてきた。
一方で、老朽化したインフラや不透明な収益管理、石油盗難、環境汚染など多くの課題を抱える。特に石油流出による住民生活や生態系への悪影響は深刻である。また、国内の精製能力が限られているため、石油製品を輸入に頼る矛盾も存在する。こうした状況の改善が、ナイジェリアの持続可能な発展にとって不可欠である。