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ナイジェリア北西部モスク襲撃、死者50人に カツィナ州

ナイジェリアの北部地域では土地や水資源へのアクセスをめぐる抗争が多発しており、遊牧民と地元住民が頻繁に衝突。襲撃事件に発展することも珍しくない。
アフリカ西部・ナイジェリア、陸軍のパトロール部隊(Getty Images)

アフリカ西部・ナイジェリアの北西部カツィナ州のモスクで発生した虐殺事件について、地元当局は20日、犠牲者の数が50人に増加したと明らかにした。

事件は同州郊外の人里離れた集落にあるモスクで19日早朝に発生。地元で「バンディッド」と呼ばれる盗賊団の犯行とみられ、朝の礼拝に参加していたイスラム教徒が殺害された。

当局は19日の声明で死者数を13人と報告していた。

AP通信は州議会議員の話しとして、「イスラム過激派とつながりのある盗賊団はこのモスクで30人を処刑し、他の集落にも火を放って20人を生きたまま焼き殺した」と伝えている。

犯行声明を出した組織は確認されておらず、逮捕者も出ていない。

中央政府と陸軍はコメントを出していないが、地元メディアは政府筋の話しとして、「陸軍の特殊部隊がテロリストを追跡している」と報じた。

ナイジェリアの北部地域では土地や水資源へのアクセスをめぐる抗争が多発しており、遊牧民と地元住民が頻繁に衝突。襲撃事件に発展することも珍しくない。

カツィナ州では先月、このような襲撃事件で少なくとも150人が死亡した。

専門家によると、バンディッドと名乗る組織は全国に複数存在し、その多くが遊牧民で構成され、イスラム過激派の支援を受けている組織も存在するという。

カツィナ州政府は19日の声明で、「軍と警察が盗賊団によるさらなる波状攻撃に備えている」と述べていた。

また同政府は地元住民に対し、盗賊団の攻撃に備えるよう促した。

地元メディアによると、今回襲撃を受けたモスクの近くでは先週、地元民兵が銃を持った男たちに待ち伏せ攻撃を仕掛け、数人を殺害。今回のモスク襲撃はこの報復である可能性が高いという。

ナイジェリア北中部では西アフリカ最大のイスラム過激派ボコ・ハラムやその関連組織「イスラム国西アフリカ州(ISWAP)」など、数十の過激派や武装勢力が活動している。

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