◎ナイジェリアでは昨年、ビルの崩壊事故が10件以上報告されている。
ナイジェリア当局は5日、最大都市ラゴスの住宅街で建設中の7階建てビルが崩壊し、これまでに6人の死亡を確認したと発表した。
政府報道官は工事に関与した不動産開発業者や施工者を非難した。現場はラゴス州ビクトリア島の高級住宅街。
報道によると、ビルは4日午後に突然崩壊したという。AFP通信は目撃者の話を引用し、「あっという間の出来事だった」と報じている。
ラゴスではビルや住宅の倒壊事故が相次いでいることを受け、専門家委員会が法整備や調査を含む同種事故防止に向けた取り組みを進めている。
同委員会の一部委員は新たな崩壊事故を受け、辞表を提出した。
辞表を提出した委員のひとりは声明で、「このビル建設工事の開発業者は必要な許可を得ておらず、委員会の工事中止勧告を無視した」と述べている。
地元警察によると、5日午後の時点で生存者は確認できていないという。
当局は当初、崩壊に巻き込まれた人は6人と発表したが、その後、もっと多くの人が巻き込まれた可能性があると訂正した。
崩壊現場近くの住民は救助作業を不安そうに見守っていた。AP通信によると、救助隊は重機を使って瓦礫を運び出し、警察はこの地域一帯を封鎖したという。
ナイジェリアでは昨年、ビルの崩壊事故が10件以上報告されている。
その大半が2000万人以上の人口を抱えるラゴスに集中し、昨年11月には建設中の高層ビルが粉々になり40人以上が死亡。少なくとも6件の倒壊を記録している。
専門家によると、一部の悪質な開発業者が規則よりコスト削減を優先するという。専門家委員会は規則の見直しや罰則の強化を求めている。
5月末にラゴスで発生した3階建てビル(建設中)の崩壊事故では数人が死亡。その2週間前にはラゴス島の別の地区で3階建てビルが倒壊、10人が死亡した。