◎ナイジェリアの北部と中部では100を超える武装勢力が活動しており、暴力が蔓延している。
国際医療援助団体「国境なき医師団(MSF)」は19日、ナイジェリア北西部ナイジャ州の医療機関が武装勢力の襲撃を受けたと報告した。
MSFによると、武装勢力は職員2人を殺害し、少なくとも20人を拉致したという。
AFP通信はナイジャ州警察の声明を引用し、「市内の総合病院が攻撃を受けた」と報じている。
AFPの取材に応じた地元の男性は、「武装勢力は午前1時半頃に病院に突入し、銃を乱射した」と説明した。
この男性によると、武装勢力は病院の職員少なくとも20人を拉致したという。20人の安否は不明。男性は「武装勢力は負傷した仲間を介抱させるために職員を誘拐したのかもしれない」という見方を示した。
MSFはツイッターに声明を投稿し、「北西部ザムファラ州のNGOが支援する保健所も18日遅くに攻撃を受けた」と報告した。
MSFによると、ザムファラ州で犯行に及んだ武装勢力は高齢の医療スタッフ1人を拉致し、保健所を破壊したという。
ナイジェリアの北部と中部では100を超える武装勢力が活動しており、暴力が蔓延している。その中でも特に強力なイスラム過激派組織ボコ・ハラムはナイジェリア軍と10年近く戦っている。
また北部と中部に拠点を置く「バンディッツ(盗賊)」と呼ばれる犯罪集団は殺人や身代金目的の誘拐を繰り返し、数千件の殺人・誘拐事件に関与したと推定されている。
連邦政府はこれらのグループをテロ組織に指定し取り締まっているが、暴力が収まる気配はみられない。
専門家によると、北東部に拠点を置くボコ・ハラムを含む過激派は国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)と連携し、戦力を強化しているという。