◎野党を支持する団体は州知事選に先立ち、先月の大統領選で初めて導入された投票機BVASのデータをリセットし、透明性を高める必要があると訴えを起こし、地裁は8日、原告の訴えを支持した。
ナイジェリアの選挙管理委員会は8日、週末に予定されていた州知事選を1週間延期すると発表した。
選管によると、州知事選は票集計の問題を理由に3月11日から18日に延期されるという。有権者は36州のうち28州の新知事を選ぶ予定だ。
選管の報道官は声明で、「先月の大統領と議会選で使用された投票機のデータ再構築に時間がかかるため、投票日を1週間延期する」と述べている。
大統領選は与党・全進歩会議(APC)のティヌブ(Bola Tinubu)候補が制したものの、野党は結果に異議を唱えている。
野党を支持する団体は州知事選に先立ち、今回の選挙で初めて導入された投票機BVAS(Bimodal Voter Accreditation System)のデータをリセットし、透明性を高める必要があると訴えを起こし、地裁は8日、原告の訴えを支持した。
選管は地裁の決定に不満を表明し、11日までにデータを再構築することは不可能と判断した。選管によると、全国の投票所に配備されたBVASは18万台近くにのぼる。
選管は声明の中で、「BVASに保存されているデータを保存し、リセット・再構築するための時間を確保する必要がある」と述べ、「司法の軽率な判断が州知事選の日程を狂わせた」と批判した。
選挙を監視する団体は大統領選でいくつかの技術的な問題が発生したとして、選管を批判している。
大統領選に立候補した野党候補は与党がBVASを使って票を操作した可能性があると主張している。
最大野党・国民民主党(PDP)のアブバカル(Atiku Abubakar)元副大統領と新人のオビ(Peter Obi)候補は票が改ざんされた可能性と、選管が選挙法を無視して与党候補の勝利を宣言したとして異議を申し立てた。
次点のアブバカル氏は大統領選の中止を求め、最大都市ラゴスなどで最多得票となった3位のオビ氏は「ティヌブ氏に勝利した証拠を持っている」と述べている。
選管は声明で、「大統領選の結果に対する異議申し立てに反対せず、選管はすべての原告が法廷で争う際に必要とする資料へのアクセスを許可する」と強調した。