◎政府と消費者保護団体は懸念を表明した。
ナイジェリアの航空当局は7日、ジェット燃料の価格が急騰したことを受け、9日から国内線の運航をすべて停止すると発表した。
国内の航空会社で構成されるAON(The Airline Operators of Nigeria)によると、ジェット燃料の価格はこの数カ月でリッター190ナイラ(約60円)から700ナイラ(約220円)に跳ね上がったという。
世界の燃料価格はコロナウイルスの規制解除に伴う経済活動の回復とロシアのウクライナ侵攻で高騰している。原油と天然ガスの主要生産国であるロシアへの経済制裁も高騰に拍車をかけた。
AONは声明の中で、「世界のどの航空会社も、このような短期間での天文学的な価格高騰には対応できない」と述べている。
またAONは記録的なインフレに直面しているナイジェリア国民にこれ以上の負担(航空券の値上げ)を強いることはできないと説明した。「したがって、残念なことに、AONの傘下にある航空会社は2022年5月9日から、追って通知があるまで、国内線の運航をすべて停止します...」
航空省はAON傘下の航空各社に対し、運航停止がナイジェリア国民や世界の旅行者に与える影響を考慮するよう促した。
消費者保護団体も懸念を表明し、航空各社に利用者への影響と運休で発生しうる問題を考慮するよう求めた。
現地メディアによると、航空各社はAONの声明発表後も5月9日以降のチケット販売を継続しているという。消費者保護団体は、「AONの声明を知らずにチケットを購入している利用者が散見される」と警告した。
多くのソーシャルメディアユーザーがAONを非難した。
あるツイッターユーザーは11万人以上のフォロワーに、「航空会社は9日から国内線の運航を停止するぞ」と呼びかけた。
別のユーザーは「ラゴスからアブジャ(首都)まで車で移動するの?」と投稿した。最大都市ラゴスと首都アブジャは700km以上離れており、車で向かうと10時間以上かかる。
一部の専門家は車で郊外を移動する際の注意点を紹介している。
同国の中部と北部では誘拐事件が多発しており、特にイスラム過激派組織ボコ・ハラムが拠点を置く北部を車で移動するのは危険と考えている。
あるユーザーは、「道路を使うのであれば身代金を用意した方がいい」と投稿した。
ナイジェリアは原油を1日140万バレル生産しているが、精製はほとんど行っていないため、国内で消費する燃料のほとんどを輸入している。