◎ナイジェリアの北部と中央部では農民と牧畜民の間で土地や水資源をめぐる争いが数十年前から続いている。
ナイジェリア軍の兵士(Sunday Alamba/AP通信)

ナイジェリア中西部プラトー州で部族間衝突が発生し、少なくとも13人が死亡した。地元当局が19日に明らかにした。

AP通信によると、農民と牧畜民による抗争は16日頃から本格化したという。

牧畜民であるフラニ族の男性はAPの取材に対し、「家畜を売るために16日に市場に向かった5人が地元のベロム人の若者に殺された」と語った。

フラニ人は報復としてベロム人少なくとも8人を殺害したと伝えられている。

地元警察は一連の抗争が事実であることを認め、最初の殺人事件に関与したとされるベロム人を逮捕した。

ナイジェリアの北部と中央部では農民と牧畜民の間で土地や水資源をめぐる争いが数十年前から続いている。

地元メディアによると、この争いは近年、人口急増と気候変動の影響で悪化しているという。

北部地域ではこの争いに乗じて略奪や身代金目的の誘拐を行うギャングが台頭し、イスラム過激派組織を取り締まる陸軍の作戦を複雑にしている。

地元メディアによると、プラトー州では5月中旬以降、部族間抗争で120人以上が死亡し、数千人が避難を余儀なくされたという。

地元当局はこの地域の治安を取り戻すために、いくつかの地区に機動隊を配備した。

5月末に就任したティヌブ(Bola Tinubu)大統領は部族間衝突だけでなく、ギャングやイスラム過激派の暴力にも対処しなければならない。

ティヌブ氏は前任者同様、ギャングや過激派との戦いを最優先事項とすると表明している。

国連によると、ナイジェリアにおけるイスラム過激派組織ボコ・ハラムとその関連組織による暴力で2009年以降に死亡した民間人は少なくとも3万5000人に達し、200万人以上が避難を余儀なくされたという。

ボコ・ハラムは同国最大のテロ組織であり、イスラム国(ISIS)に忠誠を誓い、シャリア(イスラム法)に基づく独立国家の建設を目指している。戦闘員の数は1万人以上と推定されている。

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