◎地元民兵は西アフリカ最大のイスラム過激派組織ボコ・ハラムの犯行と述べているが、同組織は今のところコメントを出していない。
ナイジェリア北東部ヨベ州郊外の集落で発生した虐殺事件について、地元警察は4日、少なくとも100人の住民が殺害されたと明らかにした。
事件は1日午後に発生。RPGやライフルなどで武装した50人以上の集団が集落に押し入り、建物に火を放ったり、家畜を略奪したとされる。
地元民兵は西アフリカ最大のイスラム過激派組織ボコ・ハラムの犯行と述べているが、同組織は今のところコメントを出していない。
ナイジェリアの北中部ではボコ・ハラムを含む多くの武装勢力が活動している。ボコ・ハラムと国軍は戦争状態にあり、15年にわたる戦いにより3万5000~5万人が死亡、200万人以上が住居を失ったと推定されている。
国連などによると、今年この地域で武装勢力に殺害された市民は確認できているだけで1500人にのぼる。
ヨベ州知事室はこの事件の犠牲者を34人と報告している。
それによると、殺害された34人は治安部隊が現地に到着する前に集団墓地に埋葬されたという。
同州知事室は「複数人が行方不明になっているとみられ、陸軍と警察が捜査を続けている」と述べた。
ヨベ州は同国で最も危険な州のひとつであり、武装集団は地元で「盗賊」と呼ばれる犯罪者集団と協力して住民を殺害したり、女性や子供を誘拐している。
ボコ・ハラムは西アフリカで最も強力な過激派のひとつ。その影響力は拡大し続け、ナイジェリアだけでなく、近隣諸国でも猛威を振るっている。戦闘員数は4000~2万人と推定されている。