◎ナイジェリアの北部と中部では100を超える武装勢力が活動している。
2016年8月20日/ナイジェリア北部の河川、ボートに乗る女性と子供たち(Emilio Morenatti/Santi Palacios)

ナイジェリアの現地メディアは6日、武装勢力の襲撃を逃れた女性と子ども数人が溺死したと報じた。

AP通信によると、正体不明の武装勢力は5日夜、北西部ザムファラ州の集落を襲撃したという。

ナイジェリアの北部と中部では100を超える武装勢力が活動している。その中で最大の勢力を誇るイスラム過激派組織ボコ・ハラムは北東部のジャングルに拠点を置いている。

AP通信は武装勢力の攻撃を目撃した住民の話を引用し、「襲撃から逃れた女性と子供を乗せたボートが転覆した」と報じている。

この住民によると、少なくとも13人の死亡を確認したという。乗船者数は不明。ボートは河川で転覆したとみられる。

AP通信によると、集落から逃げ出した住民の多くが行方不明となり、武装勢力はそこに居座っている可能性があるという。

ザムファラ州政府の報道官は6日遅く、この襲撃が事実であることを認め、「ボート2隻が転覆し、多くが溺死したと推定される」とSNSに投稿した。

軍や州警察が現地に入ったかどうかは明らかにされていない。一部の地元メディアは武装勢力が集落の住民を殺害したと報じている。

ナイジェリアの北西部と中部では地元コミュニティと牧畜民が水資源を争い、何十年も対立している。軍は最近、牧畜民で構成される武装勢力を取り締まり、武器を押収したと発表したが、多くの武装勢力が活動を継続しており、暴力の連鎖が収まる気配はみられない。

ブハリ(Muhammadu Buhari)大統領は暴力の終結を公約に掲げて2015年に就任したが、まもなく2期目の任期を終える。

専門家によると、地方の警察の要員と武器は明らかに不足しており、100人単位で行動するボコ・ハラムや武装勢力の攻撃に対応することは難しいという。

政府は北東部に軍を派遣しボコ・ハラムと10年近く戦っている。

2017年2月20日/ナイジェリア北部、イスラム過激派組織ボコ・ハラムの戦闘員(Getty Images/AFP通信)
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