◎ナイジェリア北部の国境付近には地元で「山賊」と呼ばれている武装集団の拠点が複数ある。
2017年2月20日/ナイジェリア北部、イスラム過激派組織ボコ・ハラムの戦闘員(Getty Images/AFP通信)

ナイジェリア政府は8日、武装集団が北西部ザムファラ州の村を襲撃し、少なくとも48人を殺害したと明らかにした。

同州の報道官によると、オートバイに乗った数十人の武装兵は少なくとも3つの村を襲撃し、民間人を射殺したという。

報道官は声明の中で、「武装テロリストは少なくとも48人を撃ち殺し、村を荒らしまわった」と説明した。

AFP通信によると、最も被害が大きかった村では少なくとも32人が殺害されたという。

ナイジェリア北部の国境付近には地元で「山賊」と呼ばれている武装集団の拠点が複数あり、2010年頃から全国各地で暴れまわっている。

地元メディアによると、山賊は殺人、略奪、誘拐、レイプ、拷問、その他の非人道的な行為を生業とする極悪非道集団で、北東部に拠点を置くイスラム過激派組織ボコ・ハラムより質の悪いグループもいるという。

山賊の活動を追跡している団体(Armed Conflict Location & Event Data Project)によると、山賊は2021年だけで市民2600人以上を殺害したという。これは同年におけるボコ・ハラムやイスラム国(ISIS)関連グループの犠牲者よりはるかに多いとされる。

ザムファラ州報道官は、「村の警備にあたっていた部隊は武装テロリストと銃撃戦になり、撤退を余儀なくされた」と述べている。

ナイジェリア軍は近年、ボコ・ハラムを含むジハード組織の取り締まりを強化しているが、暴力が収まる気配は見えない。

山賊は今年、首都アブジャ近郊で列車を襲撃して数十人を誘拐し、各地で数百人を殺害した。軍と警察の活動に協力する自警団数十人も犠牲になったと伝えられている。

今年初めにザムファラ州で発生した襲撃事件では民間人200人以上が殺害された。

ブハリ(Muhammadu Buhari)大統領は身代金の支払いを非合法化するなど、山賊やジハード組織への圧力を強めている。

ブハリ大統領は8日、「恐ろしい殺戮を直ちに終わらせる必要がある」と声明を発表した。「ザムファラ州やその他の地域で生活する人々の安全と平和を確立するために、私たちはできる限りのことをしなければなりません...」

ザムファラ州当局によると、ここ数年の暴力で70万人以上が避難を余儀なくされ、避難民を収容するキャンプを8つ設置したという。

ボコ・ハラムなどのジハード組織は隣国ニジェールなどでもテロ攻撃を繰り返している。

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