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ナイジェリア政府、国営石油公社の債務14.2億ドルを免除


帳消し対象には、2011年から2024年末までに発生した生産分配契約(PSC)、国内供給義務、返済契約、修正運搬契約、合弁事業ロイヤルティ債権などが含まれている。
ナイジェリア国営石油公社のロゴ(ロイター通信)

ナイジェリアのティヌブ(Bola Tinubu)大統領が国営石油公社(NNPC)の債務約14億2000万ドルを帳消しにした。大統領府が12月29日、明らかにした。この措置はナイジェリアの財務状況や石油部門の透明性を改善し、将来の資産売却計画に向けた準備の一環として位置づけられている。

承認は11月に行われた連邦勘定配分委員会(FAAC)の会合での議論を経たもので、石油規制委員会(NUPRC)が作成した報告書に基づいている。報告書では、NNPCが蓄積していた負債について政府との調整が進められ、これまでの債務の大部分が「遺産債務」として整理されてきたと説明している。

今回の帳消し対象には、2011年から2024年末までに発生した生産分配契約(PSC)、国内供給義務、返済契約、修正運搬契約、合弁事業ロイヤルティ債権などが含まれている。報告書によると、これらの債務のうち約96%のドル建て債務と約88%のナイラ建て債務が帳消しになったとしている。債務処理に関する会計処理は既に連邦勘定に反映されたという。

ただし、2025年1月から10月までに発生した新たな債務は引き続き残っており、その回収が進められている。NUPRCの報告書は、2025年の統計として新たに発生した債権債務の数字も示しており、PSCや合弁ロイヤルティ関連の債務が依然として残っていることを明らかにしている。
ナイジェリアはアフリカ最大の石油生産国であるが、近年は原油価格の変動や税収・ロイヤルティの回収不振により、上流部門の収益と政府収入に大きな課題を抱えている。報告書のデータでは、2025年11月時点で収入目標を大幅に下回る収入しか得られていない状況も示されており、ロイヤルティ収入が計画を大きく下回るなどの問題が指摘されている。

この徳政令は、政府が長年にわたる負債関係の整理を進める中での重要な一歩とされるが、依然として業界全体の収益構造や債務管理の強化が求められている。ティヌブ政権はこれまでに石油・ガス資産の売却や民営化につながる改革を進めており、今回の措置もその一環とみなされている。石油セクター改革の進展は、ナイジェリア経済全体の安定化や国際投資の誘致に向けた重要な要素となる可能性がある。

政府とNNPCの間で長年続いていた財務上の不確実性の解消は、今後の収益管理の改善と透明性向上への期待を強める一方で、新たな債務や収益回収の課題が残る現実も浮き彫りになっている。今回の措置はナイジェリア政府が財政健全化と石油部門の改革を推進する上での重要な政策判断として国内外で注目されている。

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