◎西部ニジェール州テギナのサリフタンコイスラム学校に通っていた生徒136人は身代金目的の武装集団に誘拐された。
ナイジェリアの現地メディアによると、今年5月末に西部ニジェール州で誘拐された学生たちが解放されたという。
ニジェール州テギナのサリフタンコイスラム学校に通っていた生徒136人は、身代金目的の武装集団に誘拐された。校長はAP通信の取材に対し、「解放された生徒は州都ミンナに向かっていると聞いたが、解放された正確な数は分からない」と述べた。
学校関係者によると、誘拐された生徒のうち15人は6月に解放され、6人が監禁中に死亡したことが分かったという。
AFP通信は、「武装勢力は監禁していた生徒全員を解放したが、解放に至った経緯や身代金の支払いが行われたかどうかは不明」と報じた。
サリフタンコイスラム学校の校長は解放の経緯を明らかにしなかったが、取材に応じた生徒の両親によると、保護者たちは身代金を支払うために奔走していたという。ニジェール州政府と州警察はまだ声明を発表していない。
18歳の娘と15歳の息子を誘拐された保護者はAFP通信の取材に対し、「生徒たちは解放された」と喜んだが、解放に至った経緯はよく分からないと述べた。
武装勢力の戦闘員は5月30日にテギナを襲撃し、その後、サリフタンコイスラム学校に乗り込み、生徒たちを拘束し立ち去ったと伝えられている。
武装勢力は7月、身代金の支払いなどについて協議する交渉担当者を拘束した。地元メディアによると、保護者と学校の管理者は身代金を支払うために土地や建物の一部を売却したが、武装勢力の要求額を集めることはできなかったという。
AP通信によると、昨年12月以来、ナイジェリアでは1,000人以上の学生が誘拐され、その大半は解放されたが、少なくとも200人の行方が分かっていないという。
政府は身代金目的の誘拐を止めることができず、その結果、多くの学校が閉鎖を余儀なくされた。
今年初めにカドゥナ州の大学生を誘拐した武装勢力は身代金数十万ドルを要求し、学生5人を殺害した。保護者は現金を集めるよう命じられ、その後14人が解放されたと伝えられているが、事件が解決したかどうかは不明。
ナイジェリアの北部地域はイスラム過激派組織ボコ・ハラムを含む反政府武装勢力の活動拠点になっている。ボコ・ハラムは2014年に北東部ボルノ州の中等学校を襲撃し、女子生徒276人を誘拐した。生徒の大半は今も行方不明のままである。