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ナイジェリア軍、深夜の作戦で誘拐被害者11人を救出

今回救出されたのは成人男性5人、女性3人、子ども3人の計11人で、2025年10月に北西部カドゥナ州で誘拐されたものである。
ナイジェリア、北部カドゥナ州のモスク(Getty Images)

ナイジェリア軍は27日、北西部の主要幹線道路であるカドゥナ・アブジャ高速道路沿いの森林地帯で26日夜に拉致被害者11人を救出する作戦を実施したと発表した。それによると、今回救出されたのは成人男性5人、女性3人、子ども3人の計11人で、2025年10月に北西部カドゥナ州で誘拐されたものである。

救出作戦はこの地域に拠点を置く部隊が主導。長距離監視装置を用いて夜間にテロリストの動きを察知、開始した。監視機器は武装兵が被害者を引き連れて森林の小径を移動しているのを捉え、部隊はこれを追跡、襲撃した。誘拐犯は軍の接近を察知すると被害者を放置して逃走し、軍は被害者たちを拘束状態から解放したという。

救出された被害者は92日間にわたり拘束されていたとみられ、解放後は地元コミュニティに戻され家族と再会したと報じられている。軍の声明では、被害者の安全を確保し、必要な医療やケアを提供しているという。

ナイジェリアでは誘拐が身代金目的の主要な治安問題となっており、特に北西部や中部地域の交通の要衝で多発している。誘拐犯はイスラム過激派や地元で盗賊と呼ばれるギャングで、通行者や村人、時には児童を狙うこともある。こうした犯罪は国の経済活動や住民の移動の安全に深刻な影響を与えている。

政府と軍はこれまで複数回にわたり治安部隊の増強や作戦の強化を図ってきた。軍は誘拐事件への迅速な対応を強調しており、今回のような夜間行動や監視技術の活用を通じて被害者救出に成功した事例を成果としてアピールしている。ただし、誘拐事件そのものは依然として後を絶たない状況で、軍の作戦能力と地域治安の改善が継続的に求められている。

誘拐被害は地域住民だけでなく国家全体の安全保障課題としても重要視され、政府は国内の複数州で治安部隊のプレゼンスを強めるとともに国際的な支援を受けながら解決策を模索している。また、誘拐犯を取り締まるための情報共有や地域社会との協力強化も進められているが、広大な森林地帯や未整備の道路網は犯罪集団にとって依然として活動しやすい環境となっている。

国際社会からは、頻発する誘拐事件や武装勢力による犯罪に対する懸念が高まっている。米国などはナイジェリア政府に対し、治安部隊の訓練支援や情報共有の強化を進める意向を示しているが、一方で宗教的・民族的緊張が絡む複雑な背景も存在し、単一の対応策では完全な解決は困難であるとの指摘もある。

ナイジェリア国内の治安状況は多様な要因が絡み合っており、今回の被害者救出は一定の成果であるものの、誘拐問題の根本的な解決にはさらなる治安対策の強化と社会的支援が必要である。

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