ナイジェリア北部の学校が授業再開、武装勢力による誘拐事件で閉鎖
北部カドゥナ州では再開初日に多くの生徒が久しぶりに校舎へ戻った。
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ナイジェリア北部で2025年11月に発生した児童・教職員誘拐事件を受け、長期にわたって閉鎖されていた学校が1月12日、授業を再開した。この誘拐事件では数百人の子どもたちが連れ去られ、地域の教育環境と住民の安全が厳しく問われていたが、連邦政府は安全対策が強化されたとして一部の学校で授業再開を決定した。政府は具体的な安全措置の内容を明らかにしていないものの、児童らの登校に必要な環境が整いつつあると説明している。
北部カドゥナ州では再開初日に多くの生徒が久しぶりに校舎へ戻った。17歳の女子生徒は取材に対し、2カ月ぶりの登校に不安を抱えつつも「友人や先生と一緒に過ごす時間が恋しかった」と述べ、笑顔を見せた。
一方で、生徒の保護者の間には依然として強い不安の声がある。ある父親は、子どもを学校に戻す決断は容易ではなかったとしつつ、「誘拐の恐怖によって子どもたちの教育の権利が奪われてはならない」と語った。その上で、子どもは「全能なるアラーからの贈り物」であり、教育を受けさせることは親の責任だが、「子どもたちを守る責任は政府にある」と強調した。
しかし、北部全域で学校が一斉に再開されたわけではない。ナイジャ州では25年11月の誘拐事件で300人以上の生徒と職員が拉致されたこともあり、依然として多くの学校が閉鎖されたままだ。クリスチャン協会ナイジェリア支部はナイジャ州郊外にあるセント・メアリーズ・カトリック・スクールなど一部の学校が現時点で再開されていないと指摘し、安全上の理由から当面開校しない方針であると明らかにした。州政府も安全が確保されるまで閉鎖を続けると説明している。
ナイジェリア北部ではイスラム過激派や犯罪組織による学校児童の誘拐事件が多発しており、教育機会の喪失という深刻な社会問題を生んでいる。誘拐を避けるため、多数の学校が恒久的に閉鎖され、教育を受けられない子どもたちが増加しているとの懸念が人権団体などから指摘されている。誘拐の背景には治安部隊の対応力不足や地域の犯罪活動の活発化があり、国際人権団体はナイジェリア政府に対し、子どもの安全確保と教育機会の保障を強く求めている。
今回の学校再開は教育の継続を求める住民の強い願いと、多少なりとも改善された治安への期待が反映されたものであるが、未だ誘拐リスクが高い地域も多い。教育関係者や保護者、政府当局は、子どもたちの安全を第一に考えつつ、教育の再開と治安対策のバランスを取る難しい課題に直面している。今後もナイジェリア北部での教育環境と安全確保の取り組みは国際社会の関心を集め続ける見込みである
