ナイジェリア25年第3四半期GDP成長率+3.98%、堅調に推移
経済成長の主因は石油以外の分野の拡大だ。具体的にはサービス業が前年比で4.15%増、農業が3.77%成長し、加えて工業なども含む非石油分野全体で3.91%の伸びを示した
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ナイジェリアの2025年第3四半期(7~9月)GDPが前年比で3.98%増加した。国家統計局が1日、明らかにした。
これは第2四半期(4~6月)の4.23%を下回ったものの、2024年同時期の3.86%を上回った。
経済成長の主因は石油以外の分野の拡大だ。具体的にはサービス業が前年比で4.15%増、農業が3.77%成長し、加えて工業なども含む非石油分野全体で3.91%の伸びを示した。
一方、石油部門も5.84%の成長を記録し、原油生産量は1日あたり約164万バレルとなった。GDP全体に占める石油セクターの割合は3.44%にとどまり、依然として非石油部門が主力であることを示す。
実質GDPは名目ベースでは前年同期比で18%超上昇。これは、名目の物価上昇や通貨の影響も反映したものとみられている。
非石油分野の拡大が継続している背景には、農業(特に穀物生産)、情報通信(ICT)、不動産、金融・保険、貿易、建設、製造業など多様な産業が堅調に推移している点がある。これらの産業がポジティブな成長を示したことで、非石油部門の寄与率は96.56%に上った。
こうした構造の変化は、かつて石油依存が高かったナイジェリア経済が、多様化を進めつつあることを示唆する。とはいえ、経済の減速要因もある。インフレ率は10月時点で16.05%と高水準であり、また中央銀行の政策金利は27%と厳格な水準に据えられている。これらが景気の足かせとなり、今後の経済成長を抑える可能性がある。
世界銀行は近年の改革を評価しつつも、生活水準の向上と高まる食料価格への対処が不可欠だと指摘。世銀はナイジェリアの2025年のGDP成長率を4.2%、2027年は4.4%と予測し、サービス業や農業、非石油産業の支えが成長の軸になると見ている。
