◎現場は南西部ティラベリ州郊外の要塞化された刑務所。州当局は11日遅くに夜間外出禁止令を出し、住民に警戒を呼び掛けた。
ブルキナファソ、イスラム過激派組織の戦闘員(Getty Images)

西アフリカ・ニジェールの刑務所から受刑者が脱獄した。軍政当局が12日、明らかにした。

それによると、現場は南西部ティラベリ州郊外の要塞化された刑務所。州当局は11日遅くに夜間外出禁止令を出し、住民に警戒を呼び掛けた。

内務省の報道官は声明で、「テロリストが脱走した。新たな戦闘に備える必要がある」と述べたが、何人が脱獄したかは明らかにしなかった。

この刑務所は首都ニアメの北方約50キロに位置し、サヘル地域で拘束されたイスラム過激派の戦闘員も投獄されている。

AP通信はこの事件に詳しい関係者の話しとして、「刑務所内で銃撃戦があり、10数人が脱獄したという情報がある」と報じた。

それによると、この刑務所は同国で最もセキュリティレベルの高い刑務所のひとつで、数百人の過激派を収監していたという。

州当局は市民に夜間外出禁止令を遵守するよう求め、この地域に陸軍の追加部隊が配備されると明らかにした。

この刑務所が最後に襲撃を受けたのは2019年。イスラム過激派とみられる集団が攻撃を仕掛けたものの、治安当局よって撃退された。16年にも同様の攻撃を受けている。

米国務省によると、ニジェールの刑務所の収容率は軒並み100%超。定員の3倍を収容している刑務所もあるという。

ニジェールは1年前のクーデターで軍指導部が政権を奪取して以来、過激派の暴力を抑え込めずにいる。

軍政は隣国のマリ・ブルキナファソ軍政と同盟を結び、ロシアの民間軍事会社ワグネルと連携して過激派の暴力に対処している。

スポンサーリンク