◎ニジェールの市民200万人以上が自力で食料を確保できず、NGOの支援に頼って生活し、人口の約15%が支援を得られないとして、国外避難民になった。
東アフリカ・ニジェールで活動する国際NGOが12日、ECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体)に対し、同国に対する経済制裁を緩和するよう要請した。
ノルウェー難民評議会(NRC)など20以上のNGOは共同声明で、「経済制裁により閉鎖されているベナン国境を直ちに開放し、人道支援を受け入れる必要がある」と訴えた。
大統領警護隊らで構成される反乱軍は今年7月、首都ニアメの大統領府を占拠し、バズム(Mohamed Bazoum)大統領とその家族を拘束。その後、チアニ(Abdourahmane Tchiani)将軍が国家元首に就任した。
ECOWASはニジェールを除名処分とし、加盟国との国境封鎖、金融取引停止、資産凍結などの制裁を科した。隣国ナイジェリアはニジェールへの電力供給を停止している。
ECOWASは軍政に権力を放棄し、バズム氏を解放するよう要求している。
NRCの報道官はAFP通信の取材に対し、「我々はECOWASの各国首脳に対し、人道的な理由で制裁を緩和するよう強く要請する」と語った。
これに対し、ECOWASは12日付けの声明で、「我々は医療品や人道支援物資へのアクセスをニジェールに確約したが、軍当局はその利用を拒否している」と反論した。
NGOは共同声明の中で、「経済制裁の緩和は緊急の人道支援を必要とする市民430万人以上の苦しみを軽減するものである」と述べた。
またNGOは「制裁を緩和しなければ最も弱い立場にある人々の医療支援、食料、その他必要不可欠な物資へのアクセスを著しく損なう危険性がある」と強調した。
NRCによると、2023年10~12月にかけて、ニジェールの市民200万人以上が自力で食料を確保できず、NGOの支援に頼って生活し、人口の約15%が支援を得られないとして、国外避難民になったという。