◎ECOWASは今週、ニジェール軍政に最後通告を突きつけ、1週間以内に憲法秩序を回復するよう要求。応じなければ軍事介入も辞さないと警告した。
ニジェール軍政が西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)の軍事介入に備え、空域を封鎖した。国営テレビが6日に報じた。
それによると、軍政の報道官は「外国勢力が攻撃態勢に入っている」と非難し、領空に入ったあらゆる飛行体を撃ち落とすと警告したという。
大統領警護隊らで構成される反乱軍は7月26日に首都ニアメの大統領府を占拠し、バズム(Mohamed Bazoum)大統領とその家族を拘束。その後、チアニ(Abdourahmane Tchiani)将軍が国家元首に就任した。
ECOWASは今週、ニジェール軍政に最後通告を突きつけ、1週間以内に憲法秩序を回復するよう要求。応じなければ軍事介入も辞さないと警告した。
軍政はECOWASの要求期限である6日になってもバズム氏を解放せず、西アフリカ全土を巻き込む紛争に発展するのではないかという懸念が高まっている。
軍政の報道官は6日夜に放送されたテレビ演説の中で、「国民評議会、政府、そして国民は外国勢力の侵略を打ち負かす準備ができている」と主張した。
ニジェールを含む西アフリカ地域はイスラム過激派の反乱と軍事クーデターに悩まされてきた。ニジェールの隣国マリの軍政はロシアの民間軍事会社ワグネルと契約を結び、ブリキナファソもワグネルと接触しているとみられる。
ECOWASの代表団はチアニ氏と会談できなかった。地元の専門家によると、チアニ氏は解任を避けるためにクーデターを主導した可能性があるという。
チアニ氏は旧宗主国フランスとの関係を断ち切る一方、ワグネルに支援を求めているようだ。
一方、この地域で大きな影響力を持つアルジェリアとチャド(共にECOWAS非加盟国)はニジェールへの軍事介入に反対している。
ECOWASは6日午後の時点で声明を出しておらず、軍事介入するかどうかは不明である。AP通信は4日のECOEWAS国防相会合に参加した委員の話しとして、「ニジェールに介入するか否かは加盟国の首脳が決める」と伝えている。
首都ニアメには仏軍と米軍が駐留している。米軍は北部のサヘル地域にある軍事基地に部隊を展開し、イスラム過激派との戦いを支援している。