◎バズム大統領とその家族は昨夏の軍事クーデター以来、自宅軟禁下にある。
西アフリカ・ニジェールの軍事法廷が14日、民主的な選挙で選出されたバズム(Mohamed Bazoum)大統領の免責を解除した。
バズム氏とその家族は昨夏の軍事クーデター以来、自宅軟禁下にある。
軍政の報道官は裁判所の決定を受け、バズム氏を「大逆罪」と国家安全保障を損なった罪で起訴するつもりだと主張した。
大逆罪で有罪が確定した場合、銃殺刑に処される可能性がある。
この軍事法廷は今年初めに新設され、軍政の命を受けた判事が運営している。
バズム氏はこの決定に関する声明を出していない。
ニジェールはバズム氏が追放される前、サヘル地域における米仏軍の対テロ作戦で中心的な役割を担ってきた。
しかし、軍政は西側の部隊に撤退を命じ、ロシアの民間軍事会社ワグネルに支援を求めた。
軍政は先月、2012年に結んだ米国との軍事協定を打ち切ると一方的に発表。米国防総省はこれを受け、9月中旬までにニジェールから撤退する方針を示した。
国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチによると、軍政はバズム氏が弁護のための証拠を提出する権利、弁護士と連絡を取る権利、独立した法廷で審理を受ける権利などを侵害し、公平な裁判は全く期待できないという。