◎アルジェリアは数多くの国際紛争で調停役を務めてきた。
北アフリカ・アルジェリア政府は23日、外務省の高官らで構成される外交団をナイジェリア、ベナン、ガーナに派遣し、軍事政権の支配下に置かれたニジェールの危機を打開するための交渉を開始すると発表した。
外務省の報道官はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「大統領の命を受け、本日からニジェール危機打開に向けた外遊を開始する」と投稿した。
同省は「西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)の加盟国と連携し、ニジェール危機への対処法について協議する予定」と述べているが、それ以上の詳細は明らかにしていない。
大統領警護隊らで構成される反乱軍は7月26日に首都ニアメの大統領府を占拠し、バズム(Mohamed Bazoum)大統領とその家族を拘束。その後、チアニ(Abdourahmane Tchiani)将軍が国家元首に就任した。
ECOWASの首脳らは先週の緊急会合でニジェールの憲法秩序を回復させる部隊を発足することで合意。軍事介入の準備を進めているとみられるが、詳細は不明である。
アルジェリアは数多くの国際紛争で調停役を務めてきた。
同国のテブン(Abdelmadjid Tebboune)大統領は今月6日に放送された国営テレビのインタビューで、「ニジェールへのいかなる軍事介入も断固拒否する」と表明し、ECOWASをけん制した。
またテブン氏は「アルジェリア抜きで問題を解決することはできない」と主張した。
アルジェリアはニジェールと約1000kmの国境を共有している。
テブン氏はインタビューの中でこう尋ねた。「軍事介入を受けた国の現状を見て下さい。リビア、シリア...皆さんどう思いますか?」
アルジェリアは深刻な危機の中にある2つの国(マリとリビア)と国境を接しており、第3の戦線が開かれる事態は阻止したい構えだ。