◎気候変動によりマラリアを媒介する蚊の数が世界中で増加している。
マラリアワクチンを準備する医療従事者(Getty Images)

世界保健機関(WHO)は5日、新しいマラリアワクチンがアフリカ大陸におけるマラリアの死亡率を押し下げていると発表した。

テドロス(Tedros Ghebreyesus)事務局長は国連本部の記者会見で、「新しいマラリアワクチンは子供の死亡率の低下に貢献している」と語った。

それによると、このワクチンはガーナ、ケニア、マラウイの児童160万人以上に投与され、安全かつ効果的であることを証明したという。

テドロス氏は「ワクチンを展開した結果、重度のマラリアを発症する子供の数が激減し、死亡者も減った」と説明した。

一方、WHOの予防接種・ワクチン・生物学的製剤部門を統括するオブライエン(Katherine O'Brien)氏は、「この新しいワクチンが展開されて以降も、多くの国で子供がマラリアで亡くなっていることを忘れてはならない」と警告した。

オブライエン氏はワクチンを称賛したうえで、「マラリアに悩まされている多くの国にそれを効果的に展開することが重要だ」と強調した。

国連の調査によると、気候変動によりマラリアを媒介する蚊の数が世界中で増加しているという。

マラリアの震源地はアフリカ大陸である。WHOが2022年に公表したデータによると、2021年の世界の死亡者数約61万9000人のうち、95%がアフリカ大陸で報告されたという。

世界のマラリア患者の約90%はアフリカ大陸で報告され、毎年20万人以上の子供が亡くなっている。

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