WHO、M痘(エムポックス)緊急事態宣言を終了
M痘は中央・西アフリカでよくみられる感染症のひとつ。1970年にコンゴ民主共和国で初めて検出された。
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世界保健機関(WHO)は5日、アフリカ大陸におけるM痘(エムポックス)の感染が収束しているとして、「公衆衛生上の緊急事態」の宣言を終了すると発表した。
WHOのテドロス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は記者会見で、「委員会はM痘の状況について、国際的な緊急事態ではないと指摘し、私はその助言を受け入れた」と語った。
M痘は中央・西アフリカでよくみられる感染症のひとつ。1970年にコンゴ民主共和国で初めて検出された。
重症化リスクは低く、感染者の大半は数週間で回復する。
死亡率は地域の医療体制によって異なるが、概ね1~3%ほど。潜伏期間は7~21日で、ほとんどの患者が10~14日で発症する。空気感染を起こした事例は確認されていない。
WHOは24年8月、コンゴ民主共和国を含むアフリカ中央部と西部でM痘感染者が急増していることを受け、公衆衛生上の緊急事態を宣言した。
公衆衛生上の緊急事態は国際的に重大な公衆衛生リスクが発生した際に宣言される。
感染症の拡大などが該当し、他国への伝播の可能性や国際的な対応が必要かどうかが判断基準となる。
この宣言により、各国に対策の強化や情報共有が求められ、国際的な連携が促進される。過去にはコロナウイルスやエボラ出血熱などが該当した。
テドロス氏は記者団に対し、「M痘が消えたというわけではなく、今後も基本的な感染対策を徹底することが重要である」と語った。