◎モザンビークの野生のシロサイは1992年に終結した内戦と密猟で壊滅的な打撃を受け、絶滅またはほぼ絶滅したと考えられている。
アフリカ南部、モザンビークの自然保護団体は1日、同国内の国立公園にシロサイを移入したと発表した。
自然保護団体「ピース・パーク・ファンデーション(PPF)」によると、モザンビーク領内にシロサイが戻ったのは約40年ぶり。
PPFは野生生物と地域経済の活性化を推進する団体で、モザンビーク南部の自然保護区域「ジナベ国立公園 (Zinave National Park)」の密猟者の取り締まりを強化したエリアにシロサイ19頭を移入した。
モザンビークの野生のシロサイは1992年に終結した内戦と密猟で壊滅的な打撃を受け、絶滅またはほぼ絶滅したと考えられている。
PPFの広報担当はAFP通信の取材に対し、「シロサイはジナベ国立公園により多くの観光客をもたらすだろう」と語った。
PPFによると、ジナベ国立公園の面積は約4000㎢で、アフリカ大陸の野生動物「ビッグ5」と呼ばれるゾウ、クロサイ、ライオン、ヒョウ、バッファローが生息している。
PPFは2015年以降、この公園に14種2400頭以上の動物を移入した。
シロサイたちは隣国南アフリカから数日かけてジナベ国立公園に移送された。PPFによると、移送距離は約1600km。
シロサイの帰還を記念する式典にはニュシ(Filipe Nyusi)大統領と環境相も出席した。
ニュシ氏は「生物の保護は世界共通の課題であり、私たちはPPFや他の団体と共に貴重な自然遺産を保護するために戦い続けます」と語った。
シロサイは国際自然保護連合(IUCN)の準絶滅危惧種に、クロサイは絶滅危惧種に指定されている。
PPFは今後3年間でジナベ国立公園のサイの数を2倍以上に増やしたいとしている。