◎WHOは2020年8月にアフリカ大陸の野生型ポリオ根絶を宣言した。
モザンビークの保健当局は18日、同国内で野生型ポリオ(1型)の感染者を確認したと発表した。
世界保健機関(WHO)によると、同国北東部テテ州で小児麻痺が確認されたという。
ポリオ(急性灰白髄炎)は脊髄性小児麻痺とも呼ばれ、5歳以下の子供がかかることが多く、麻痺などを引き起こし、死に至ることも珍しくない。死亡率は地域によって異なるがワクチン未接種の小児で2~5%、成人は15~30%、妊婦はさらに高いと推定されている。
アフリカ南部でポリオが確認されたのは今年2例目。1例目はマラウイで2月中頃に報告された。
モザンビークでは2019年にワクチン由来ポリオ(2型)が検出されているが、野生型ポリオの検出は1992年以来30年ぶりとなる。
ワクチン由来ポリオと野生型ポリオに大きな違いはない。
保健当局によると、テテ州の症例は今年初めにマラウイで報告された症例と同様、2019年にパキスタンで広まったポリオ株に関連しているという。
アフリカ大陸では近年、ワクチン由来ポリオが複数検出されている。
WHOは2020年8月にアフリカ大陸の野生型ポリオ根絶を宣言した。
WHOアフリカ部門の報道官は18日、「アフリカで再び野生型ポリオが検出されたことを非常に憂慮している」と声明を発表した。「このウイルスの感染力は強く、油断すればあっという間に広がります...」
WHOによると、モザンビークは今年、隣国マラウイでポリオが検出されたことを受け、5歳以下の児童約420万人(未接種者のみ)を対象とする集団ワクチン接種を実施したという。
WHOは南アフリカの5カ国(マラウイ、モザンビーク、タンザニア、ザンビア、ジンバブエ)の疾病監視を強化している。
現地メディアによると、南アフリカ地域では近いうちに5歳以下の児童約2300万人を対象とする集団ワクチン接種が行われる予定だという。