◎警察は今週、野党デモ参加者に催涙ガス弾を撃ちこみ、鎮圧した。
アフリカ南東部・モザンビークの大統領選を制した与党・モザンビーク解放戦線(FRELIMO)のシャポ(Daniel Chapo)次期大統領が25日、野党陣営に対し、対話に応じるよう促した。
選挙管理委員会は9日に行われた選挙の最終結果を24日に公表。シャポ氏の得票率は70.67%、無所属のモンドラーネ(Venancio Mondlane)氏が20.32%、野党・モザンビーク民族抵抗運動(RENAMO)の候補は5.81%であった。
シャポ氏は演説で、「国民のために働く大統領になる。対話、会話で対立を解消しよう。街頭での抗議デモや暴動ではなく、平和、対話、調和、安全を推進します..」と述べ、野党に抗議デモを控えるよう促した。
FRELIMOは議会選でも野党を圧倒し、第1党を堅持した。
シャポ氏は市民社会組織PODEMOSの大統領候補の弁護士と同党の報道官が投票日の翌週、何者かに殺害された事件に言及。「FRELIMOはこの事件に一切関与していないと改めて表明する」と述べた。
この事件は首都マプト市内で18日深夜に発生。正体不明の武装集団が2人に発砲、殺害した。
シャポ氏はモンドラーネ氏やその他野党が選挙を「詐欺」と呼んだことについて、「事実無根である」と強調した。
しかし、EUの選挙オブザーバーは一部の選挙監視団が集計の監視を妨害され、一部の投票所で不正が確認されたと明らかにした。
シャポ氏は野党が呼びかけているストライキを「無責任」と非難し、国民に対し、この呼びかけに応じないよう求めた。
警察は今週、野党デモ参加者に催涙ガス弾を撃ちこみ、鎮圧した。
野党は選管の結果に異議を唱え、裁判所に異議を申し立てるとしている。
FRELIMOは独立時に政権を握り、その後、RENAMOと15年にわたると血生臭い内戦を戦った。RENAMOは後に野党となり、今回の選挙にも候補を擁立した。