◎モザンビークは2016年のいわゆる「隠れ債務スキャンダル」でIMFを含む国際金融機関の信頼と融資を失った。
国際通貨基金(IMF)は10日、モザンビークに対する4億3200万ユーロ(約600億円)の融資を承認したと発表した。
モザンビークは2016年のいわゆる「隠れ債務スキャンダル」でIMFを含む国際金融機関の信頼と融資を失った。
IMFは声明の中で、「融資は経済回復、公的債務の返済、金融の脆弱性を軽減するためのものであり、政府の野心的な計画を後押しする」と述べている。
2016年に発覚したモザンビーク史上最大の汚職スキャンダルでは、約20億ユーロの秘密融資が外国の銀行からモザンビークの国営企業に提供されていた。国はこの融資への関与を認めている。
米国を含む主要国と国際金融機関は1980年代からモザンビークに数十億ドルを融資し、その多くが結核・マラリア・エイズなどの対策や、農業、教育、民主主義を確立するための取り組み、ガバナンス対策などに充てられてきた。
事件発覚後、IMFは融資を停止し、すべての国際援助機関も同様の措置を取った。
それ以来、これらの機関は甚大な被害をもたらした2019年のサイクロン「イダイ」とコロナウイルスの大流行に関する緊急支援以外の融資は行っていなかった。
スキャンダルを調査する委員会の独立監査の結果、4億2600万ユーロの不正流用が発覚し、その使途は現在も明らかになっていない。
事件に関与した19人の被告は現在、首都マプトの刑務所に収監され、特別法廷に出廷している。アルマンド・ゲブザ(Armando Guebuza)前大統領も証人として召喚されている。