◎住宅の屋根に接続されていた配電線が地上に落下し、1人が感電死した。
3月11日、アフリカ南部のモザンビークにサイクロン・ゴンベが上陸し、少なくとも1人が死亡、数人が負傷し、北部地域の家屋やインフラに大きな被害をもたらした。
アフリカ南部の国々は1月末にサイクロン・アナ、2月初めにサイクロン・バツィライ、その2週間後にサイクロン・ドゥマコ、2月末にサイクロン・エムナチの被害を受け、少なくとも200人以上が死亡、数万戸の家屋が全壊もしくは損壊し、数十万人が避難を余儀なくされた。
気象当局によると、サイクロン・ゴンベはインド洋からモザンビーク北部のナンプラ州に上陸したという。上陸時の勢力は今年上陸した他のサイクロンに比べると弱かったが、ナンプラ州と周辺地域に大雨をもたらし、各地で浸水被害が報告された。
地元メディアによると、州内の住宅の屋根に接続されていた配電線が地上に落下し、1人が感電死したとのこと。警察が事故時の状況を調べている。
州内の一部地域では停電と断水が発生し、インターネットもつながりにくい状態が続いている。
ナンプラ州のジャーナリストであるアブバカル氏はAFP通信の取材に対し、「11日早朝に電気が切れ、水も出なくなり、電話もつながりにくい状態が続いている」と述べた。また、市内の商業施設と公共交通機関は営業を取りやめたという。
携帯電話事業者のボーダコムは11日、被災地のサービス復旧に取り組んでいると声明を発表した。モザンビークの国営航空会社LAMはナンプラ州を含む北部の主要空港のフライトをすべてキャンセルした。
防災当局はこれまでのサイクロンで被害を受けて地域向けに準備していた援助物資の一部が浸水被害を受けたと発表しているが、詳細は明らかにされていない。
気象当局は声明で「サイクロン・ゴンベの勢力は弱まったとものの、北部と中部地域に大雨をもたらす可能性があるため、洪水や浸水被害に注意が必要」と呼びかけている。上陸時の最大風速は35m/s、最大瞬間風速は45m/sだった。