◎モロッコ代表は15日に前回王者のフランスと対戦する。
カタールでポルトガルVSモロッコを観戦したモロッコ人サポーターは10日、歴史を塗り替えたモロッコ代表を称賛し、ワールドカップ優勝を宣言し、スマートフォンを空に放り投げ、ポルトガル代表のクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)選手をねぎらった。
「オレ、オレ、オレ」という合唱が響く中、主審が試合終了のホイッスルを拭くと、多くのモロッコ人が噴火し、祝宴を上げるためにスタジアムを飛び出した。
歓声、拍手、涙が流れ、一部のモロッコ人サポーターは「アラー・アクバル(神は偉大なり)」と絶叫した。
ベスト4をかけた最後の試合はモロッコ代表が1-0でポルトガルを下し、アフリカ勢初のベスト4進出を決めた。
現地時間午後7時58分、モロッコは世界を驚かせ、ポルトガル人に涙を流させた。モロッコの最大都市カサブランカでは多くの市民が絶叫しながら街頭に飛び出し、「ワールドカップ優勝!」と主張した。
フィールドでは何人もの選手が転げまわり、飛び跳ね、モロッコの国旗を振りまわした。一部の選手はベスト4をどのように祝えばよいか分からず、両手を上げ、あてもなくぐるぐるとフィールドを走り回った。
観客席は前代未聞の騒々しさに包まれ、サポーターの心拍数は危険なレベルに達したが、自分の耳、健康、体調を気遣う人はほとんどいなかったように見えた。
AP通信の取材に応じた男性は「カサブランカから駆け付けてよかった」と涙を流しながら語った。「信じられない!」
女性サポーターは「優勝はもらった」と語った。「フランスに勝ち、決勝でアルゼンチンのメッシ(Lionel Messi)選手を蹴散らします!」
サポーターと一緒に涙を流したモロッコの著名なコメディアンであるラムジ(Oussame Ramzi)さんはAPに「・・・」と語った。ラムジさんは一言もしゃべらず、天を仰ぎ、周りのサポーターと自撮り写真を何枚も撮った。
ラムジさんの友人は「アラー、いい気分だ、いい気分だ、いい気分だ。今までで一番いい気分だ。これは素晴らしいことだ。言葉を失うほどだ。私の友人を見ろ、泣いているぞ」 と語った。
首都ラバトから駆け付けたという女性サポーターは、「ロナウドがカッコよかったけど、歴史を刻んだのモロッコよ」と勝利を祝った。「アディオス・スペイン、アディオス・ポルトガル、アディオス・フランス(次の相手)。私たちは勝つ!」
選手たちが観客席に近づくと、大きな歓声が上がり、多くのサポーターが拳を突き上げ、国旗を投げ飛ばした。
祝賀ムードはスタンドから階段、入り口、屋外に拡散した。FIFAが設置した小さなコンサート会場はモロッコの国旗で埋め尽くされ、音楽が大音量で鳴り響き、サポーターのアドレナリンを放出させた。
一方、最後のワールドカップで優勝を狙っていたロナウド選手は試合終了のホイッスルが鳴り響くとうなだれ、目頭を抑えた。
ポルトガル代表は何度も決定的なチャンスを作ったが、1点が遠かった。ボール支配率はポルトガル73%ーモロッコ27%だった。
アフリカのチームがベスト4に進出したのはこれが初めて。過去に3チームがこれに挑戦したものの、欧州と南米の高い壁に阻まれた。
モロッコ代表は15日に前回王者のフランスと対戦する。