◎アフリカ北部からカナリア諸島を目指す亡命ルートは世界で最も危険なルートのひとつとされる。
北アフリカ・モロッコの西岸沖で移民を乗せたボートが沈没し、成人男性と子供が死亡、24人が救助された。スペインのNGOが21日に明らかにした。
それによると、このボートには60人以上が乗船し、30人以上が行方不明になったとみられる。
NGO「カミナンド・フロンテラス(Caminando Fronteras)」はツイッターに声明を投稿。「スペイン当局は彼らを発見したにもかかわらず、助けようとしなかった」と主張した。
カミナンド・フロンテラスはカナリア諸島周辺の海域を監視し、移民の親族や友人の通報を基に捜索・救助活動を行っている。
AP通信はスペイン沿岸警備隊の広報担当の話しとして、「カナリア諸島から派遣された航空機はアフリカ北西部沖約70kmの地点で移民船を発見した」と伝えている。
それによると、航空機の乗組員はモロッコ当局に一報を入れたものの、ボートがいつ沈没したかは把握できていないという。
ボートはモロッコの領海内で沈没。同沿岸警備隊は21日早朝に24人を救助したと伝えられている。
カミナンド・フロンテラスは声明の中で、「移民たちは発見から12時間も放置された」と述べている。
アフリカ北部からカナリア諸島を目指す亡命ルートは世界で最も危険なルートのひとつとされる。
20日にはカナリア諸島のランサローテ島付近で40人以上を乗せたボートが救助され、妊婦1人の死亡が確認された。
サハラ砂漠以南の紛争地から逃れた移民数千人が毎年このルートを使ってカナリア諸島を目指し、その多くが途中で命を落としている。