◎モロッコ政府は今月初め、飲料水を確保する取り組みの一環として、水道水による洗車を禁じた。
2022年8月14日/モロッコ、カサブランカの洗車場(Africanews)

歴史的な干ばつと水不足に見舞われているモロッコで水を使わない洗車が話題を集めている。

政府は今月初め、飲料水を確保する取り組みの一環として、水道水による洗車を禁じた。

世界保健機関(WHO)によると、水不足と判断される水使用量のしきい値は「1人あたりの1700㎥(年間)」。モロッコの値はこれを大幅に下回っているとみられる。

地元メディアによると、カサブランカや首都ラバトの多くの洗車場が閉鎖に追い込まれたという。ただし、井戸水を使っている洗車場は何とか耐えているようだ。

異常事態が続く中、あるスタートアップ企業がドライ洗車に目をつけ、注目を集めている。カサブランカに本拠を置くEウォッシュ(Ewash)社の創業者オマール(Omar Bouziane)さんは干ばつにチャンスを見出した。

オマールさんはアフリカニュースのインタビューで、「同社のコンセプトは水を使わずにプロ仕様の洗車を提供すること」と語った。

オマールさんによると、Eウォッシュ社の製品の1回当たりの水使用量は35ミリリットルで済みという。詳細は企業秘密とのこと。

同社の水なし洗車を6回利用したという男性は、「ピカピカに仕上がるので驚いている」と語った。「いつもピカピカに仕上げてくれるのでとても満足しています。普通のタオルで拭くだけなのに、なぜここまでピカピカになるのですか?」

アフリカニュースによると、Eウォッシュ社は気候変動に対応する様々なサービスを開発し、モロッコ全土、さらにはセネガルなどの近隣諸国にも進出する予定だという。

世界銀行が先月公表したモロッコ経済に関するレポートによると、モロッコの水資源は減少し続けているという。

モロッコ北部地域では高温と乾燥による山火事が相次いでいる。

2022年7月15日/モロッコ北部で発生した山火事(Mosa'ab Elshamy/AP通信)
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