イギリス政府、モロッコの西サハラ自治計画を支持
西サハラの領土のおよそ8割はモロッコの支配下にあり、残りはアルジェリア政府の支援を受ける武装組織「ポリサリオ戦線」が統治している。
の支配地域(Getty-Images).jpg)
イギリスのラミー(David Lammy)外相は1日、モロッコ王国が係争地「西サハラ(サハラ・アラブ民主共和国)」に自治権を付与するという計画を支持すると表明した。
ラミー氏は訪問先の首都ラバトでモロッコ外相と会談。記者会見で「西サハラ紛争の解決にはモロッコの自治提案が最も現実的であると考えている」と語った。
西サハラの領土のおよそ8割はモロッコの支配下にあり、残りはアルジェリア政府の支援を受ける武装組織「ポリサリオ戦線」が統治している。
モロッコはポリサリオ戦線をテロ組織に指定しているが、アルジェリアを含むアフリカ連合(AU)の主要国は西サハラの独立を認めている。
この係争地をめぐる対立が解決する目途は立っていない。国連西サハラ住民投票監視団(MINURSO)が境界線を監視している。
ラミー氏は「2007年にモロッコが提出した自治案は最も信頼性が高く、実行可能、現実的である」と強調した。
またラミー氏は「イギリス政府はこの立場に沿って、紛争の解決を支援するため、経済、地域、国際的な分野を含め、二国間レベルで行動を続けていく」と述べた。
これにより、モロッコは国連安全保障理事会の常任理事国である米国、フランス、イギリスの支持を得たことになる。
モロッコ政府は声明でラミー氏の発表を称賛。歴史的な出来事であり、イギリスとの連携を強化していくと強調した。
両外相は医療、イノベーション、港湾および水インフラ、調達分野での協力に関する協定に署名した。
西サハラはモロッコ王室が抱える最大の問題であり、国際法廷でポリサリオ戦線と主権を争っている。
この審議は長らく停滞しているため、モロッコは同盟国の支持を求めている。一方、ポリサリオ戦線は国際法廷でモロッコの主張に異議を唱えるなど、法的手段を追求している。