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モロッコ2025年外国人観光客1980万人、過去最多

観光はモロッコのGDPの約7%を占め、雇用創出や外貨獲得に大きく寄与している。
アフリカ北西部・モロッコの砂漠地帯(ロイター通信)

モロッコ政府は5日、2025年に同国を訪れた外国人観光客が過去最多となる1980万人に達したと発表した。これは前年から約14%の増加であり、モロッコにとって観光業が引き続き経済の重要な柱となっていることを示す数字である。観光はモロッコのGDPの約7%を占め、雇用創出や外貨獲得に大きく寄与している。

観光省によると、この成長は国際線の拡大や国内の新たな観光地のプロモーション、既存ホテルの改修や新規開業への投資促進などが寄与した結果であるという。特に欧州を中心とする主要市場からの航空便数が増えたことが訪問者増加の原動力となった。観光収入も好調で、2025年1月から11月までの累計で1240億モロッコ・ディルハム(約2.13兆円)に達し、前年同期比で約19%の増加となった。

モロッコ政府は2023〜26年の観光振興ロードマップを策定し、観光インフラの強化や観光地の多様化、サービス品質の向上を進めてきた。観光省はこの計画が成果を上げていると評価し、国内各地の魅力発信や地域への投資誘致が功を奏していると説明している。同省は今回の成果を「観光セクターの変革」を反映するものと位置づけ、持続可能で地域に根ざした観光モデルの確立が進んでいると強調している。

観光業の好調は同国がアフリカの主要観光地としての地位をさらに確固たるものにする動きと重なっている。モロッコは従来から文化遺産や自然景観、都市観光の多様性を強みにしてきたが、近年はインフラ整備やマーケティング戦略によって国際的な競争力を高めているとの評価もある。モロッコはエジプトやチュニジアなど北アフリカの他国と比較しても観光客数で順位を上げており、特に欧州圏からの旅行者が多いことが指摘されている。

観光省はまた、2030年に向けた中長期目標として観光客数2600万人の達成を掲げている。この目標は、モロッコが2026年にスペイン、ポルトガルと共同でFIFAワールドカップを開催する予定であることとも関連しており、大規模国際イベントの開催がさらなる観光客誘致につながるとの期待がある。国際大会開催に向けた準備や関連インフラ整備が進む中、観光セクター全体のさらなる成長が予想される。

ただし、観光業の急拡大には課題も存在する。観光地での物価上昇やサービスの質の維持、地域間格差の是正などが指摘され、観光省はこれらに対応するための政策立案と実行を進めている。また、地元住民への利益還元や持続可能な観光の推進といった側面でも、政府と産業界の連携が求められている。観光業が経済全体に与える影響の大きさを踏まえ、モロッコは今後も戦略的な取り組みを続ける方針である。

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