◎マフダウイ氏は独立系メディアの編集長を務め、法務大臣の名誉を棄損したとして起訴された。
アフリカ北部・モロッコの著名なジャーナリストが国会議員の名誉を棄損したとして懲役1年6カ月の実刑判決を言い渡された。現地メディアが11日に報じた。
それによると、ハミド・マフダウイ(Hamid Mahdaoui)は名誉毀損で有罪となり、15万ドルの罰金刑も言い渡されたという。
マフダウイ氏は独立系メディアの編集長を務め、法務大臣の名誉を棄損したとして起訴された。
マフダウイ氏は自身のウェブサイトに法相が複数の汚職を主導していると寄稿。法相はこれを否定している。
この論争は法相が党首を務める政党が昨年、麻薬密売に関与したとして服役中のマリ人ディーラーから告発されたことに端を発する。
国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団(RSF)」を含む多くの人権団体がマフダウイ氏への実刑判決を非難。「モロッコの報道の自由が脅かされている」と表明した。
RSFは先月、マフダウイ氏の起訴を「報道機関を脅迫し黙らせる司法制度の悪用」と評した。
マフダウイ氏は2017年、社会的・経済的不平等に対する抗議デモを主導した活動家たちを支持し、暴動を煽ったとして投獄された。
モロッコは近年、反政権派のジャーナリストや活動家を弾圧していると批判を浴びている。
国王モハメド6世(King Mohammed VI)は7月、著名な投獄中のジャーナリスト3人を赦免した。