マリ、ブルキナファソ、ニジェール軍政がICC脱退を表明
ICCは2002年に設立された常設の国際司法機関であり、戦争犯罪、ジェノサイド(集団殺害)、人道に対する罪、侵略犯罪といった重大な国際犯罪を裁くことを目的とする。
本部(Getty-Images).jpg)
アフリカ西部・マリ、ブルキナファソ、ニジェールの軍事政権が国際刑事裁判所(ICC)からの脱退を発表した。現地メディアが23日に報じた。
各国はICCを「西側の傀儡」「役立たずのゴミ」と呼んだ。
ICCは2002年に設立された常設の国際司法機関であり、戦争犯罪、ジェノサイド(集団殺害)、人道に対する罪、侵略犯罪といった重大な国際犯罪を裁くことを目的とする。
オランダ・ハーグに本部を置き、ローマ規程と呼ばれる条約に基づいて運営されている。ICCは国際司法裁判所(ICJ)と異なり、国家間紛争ではなく個人の刑事責任を追及する点に特徴がある。管轄権は締約国の領域または国民に及ぶが、国連安全保障理事会の付託によって非加盟国の案件も扱える。独立性を強調しつつも、大国の政治的圧力や非加盟国の多さ、執行力の不足といった限界を抱える。
特に米国、中国、ロシアなどの大国が加盟しておらず、逮捕令状が出ても協力国が拘束に消極的な場合は実効性を欠く。
マリ、ブルキナ、ニジェールはクーデター後、旧宗主国フランスや米国との関係を断ち、サヘル諸国連合(AES)を形成してロシアに接近。マリ軍政はロシアの民間軍事会社と契約を結び、一般市民を巻き込みながらイスラム過激派を掃討している。
3カ国は共同声明で脱退を発表、ICCが「帝国主義の手にある新植民地主義的抑圧の道具にとなった」と主張し、本日をもってICCから脱退すると述べた。
ICCからの脱退手続きには少なくとも1年を要する。今年初めにはハンガリーも脱退を発表している。