▽国連によると、ゴマ郊外の避難民キャンプでは約200万人がテント生活を送っている。
コンゴ民主共和国東部・北キブ州の知事が同国最大の反政府勢力M23(3月23日運動)との戦闘で戦死した。現地メディアが24日に報じた。
それによると、州知事を務める陸軍の少将は州都ゴマから13キロほど離れた前線で対テロ作戦を指揮中、M23の猛攻に遭遇し、戦死したという。
AP通信は関係者の話しとして、「少将はM23の迫撃砲に巻き込まれ死亡した」と伝えている。
政府関係者、軍関係者、国連が少将の死亡を確認したとしている。
M23はゴマに通じる南キブ州の要衝ミノバを占領。ゴマに接近中とされる。
M23はルワンダとウガンダの支援を受けていたコンゴのツチ族武装集団の元戦闘員で構成され、2009年3月に締結された和平協定により、コンゴ軍に編入された。
しかし、M23の戦闘員はコンゴ軍に編入された後もルワンダ国境付近で活動を続け、13年の紛争に敗れるとルワンダやウガンダに逃亡。21年11月頃から活動を活発化させ、北キブ州の複数の集落を占領した。
コンゴ、米国、国連安保理はルワンダ政府がM23を支援していると指摘。ルワンダはこの主張を否定している。
1994年のルワンダ大虐殺に関与したとされるフツ族の住民数千人がコンゴ東部に逃げ込んで以来、両国の関係は緊張状態にある。
M23はコンゴに逃げ込んだフツ族の掃討を目指しているものとみられる。
国連はコンゴ国内で活動するルワンダ兵を最大4000人と推定している。
政府とM23による戦争は世界最大級の人道危機に発展。700万人以上が避難を余儀なくされている。
現地メディアによると、M23はここ数週間で支配地域を拡大し、ゴマを包囲したとみられる。
国連は23日、M23がゴマの北西27キロに位置し、政府の管理下にあった最後の主要ルートのひとつである道路沿いの町を制圧したと報告。ゴマの市民はこの一報を受け、パニックに陥った。
国連によると、今年ゴマから避難した市民は40万人を超えたとみられる。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は24日、ジュネーブの記者会見で、「今年の避難民は40万人を超え、先週報告した数のほぼ倍になっている」と明らかにした。
米国、イギリス、フランス当局は24日、自国民に対し、空港や国境が開いている間にゴマを離れるよう呼びかけた。
国連によると、ゴマ郊外の避難民キャンプでは約200万人がテント生活を送っている。
コンゴ東部では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)とつながりのある過激派など、120以上の武装勢力が活動している。
政府はISIS系組織「民主同盟軍(ADF)」の攻撃にも対処する必要があり、厳しい戦いを強いられている。
ADFはウガンダで発足した反政府勢力。1990年代半ばから北キブ州などに拠点を置き、民間人数千人を虐殺したと告発されている。