◎トゥアレグ族の若者で構成される反政府勢力「アザワド解放民族運動(MNLA)」はロシアの民間軍事会社ワグネルのものとする無人機6機と航空機を撃墜したとみられる。
マリ軍の兵士(Michele Cattani/AFP通信/Getty Images)

西アフリカ・マリのキダル周辺で軍政と反政府勢力による新たな戦闘が発生した。現地メディアが6日に報じた。

それによると、トゥアレグ族の若者で構成される反政府勢力「アザワド解放民族運動(MNLA)」はロシアの民間軍事会社ワグネルのものとする無人機6機と航空機を撃墜したとみられる。

マリ軍政は6日未明に声明を発表。「反乱軍の防衛ラインを突破し、キダルとその周辺地域での戦闘で多くのテロリストを無力化した」と主張した。

マリ政府はMNLAを含むトゥアレグ族の反政府勢力をテロ組織に指定している。

MNLAは独自に策定した北部地域の平和・安全・開発のための恒久的戦略枠組み(CSP-PSD)に基づき、アザワドという独立国家の建設を目指している。

現地メディアによると、キダルを含む北部地域ではこの数カ月で暴力事件が急増している。

これは2015年に政府とMNLAとの間で結ばれた和平協定が決裂したことを示しており、一部のアナリストは内戦に発展する可能性があると警告している。

NMLAはかつて、治安部隊をこの地域から追い出し、アザワドの独立を宣言した。

NMLAは2015年の和平協定の中で、反乱軍の兵士を国軍に統合することなどを求めていた。これは当時、ソーシャルメディアでリークされ、多くの国民が懸念を示していた。

民主的な選挙で選出された大統領らは2020年のクーデターで失脚。政権を奪取したゴイタ(Assifmi Goita)大佐はイスラム過激派との戦いで長年協力関係にあった西側と距離を置き、ロシアに急接近した。

この地域の旧宗主国であるフランスはマリから部隊を完全撤退させ、ドイツを含む欧州の主要国も撤退任務を進めている。

国連安全保障理事会は今年、マリで10年に渡って活動してきた国連マリ多次元統合安定化派遣団(MINUSMA)の活動終了を全会一致で採択した。

MINUSMAが8月に撤退任務の第一段階を終えて以来、暴力事件の件数は2倍以上に増加している。

ゴイタ氏はワグネルと協力して過激派掃討を目指すとしているが、暴力の波に圧倒されているようにみえる。

アフィリエイト広告
スポンサーリンク