マリ野党指導者、1ヶ月の拉致を経て解放、軍事政権が関与か

解放されたのは野党CODEMの指導者のひとりであるアッバ氏。5日に首都バマコ郊外の道路沿いに置き去りにされた
2020年8月27日/マリ、首都バマコ郊外(Getty Images)

アフリカ西部・マリの軍当局によって1カ月前に拉致された野党活動家が解放された。現地メディアが8日に報じた。

それによると、解放されたのは野党CODEMの指導者のひとりであるアッバ(Alassane Abba)氏。5日に首都バマコ郊外の道路沿いに置き去りにされたという。

AP通信はアッバ氏の家族の話しとして、「軍事政権は関与を認めていないが、私たちは軍当局が誘拐に関与したと信じている」と報じている。

軍政はコメントを出していない。

アッバ氏は2021年のクーデター以来、軍政が選挙を行っていないことを批判してきた。

報道によると、アッバ氏はSNSに軍政を批判するコメントを投稿した後、5月9日に拘束された。

バマコでは当時、軍政を批判する小規模なデモが行われていた。

軍政の独裁を批判した複数の政治家が現在も拘束されている。

マリとその隣国ブルキナファソおよびニジェールは10年以上にわたって国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)系組織と戦ってきた。

3カ国は軍事クーデター後、旧宗主国フランスや米国との関係を断ち、サヘル諸国連合(AES)を形成してロシアに接近。マリ軍政はロシアの民間軍事会社ワグネルと契約を結び、一般市民を巻き込みながら過激派を掃討してきた。

、3カ国では5月初めから基地や町で過激派による襲撃が相次ぎ、400人を超える兵士が殺害された。

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