◎治安当局は19日午後、バマコで今週発生した銃撃戦にこの市場が関与しているとして、閉鎖を命じた。
アフリカ西部・マリの軍事政権が首都バマコの家畜市場を閉鎖した。現地メディアが20日に報じた
それによると、治安当局は19日午後、バマコで今週発生した銃撃戦にこの市場が関与しているとして、閉鎖を命じたという。
この銃撃戦は17日に発生したとみられ、AFP通信は情報筋の話しとして、「少なくとも77人が死亡し、約200人が負傷した」と伝えていた。
事件後、国際テロ組織アルカイダ系の武装勢力JNIM(Jama'at Nusrat al-Islam wal-Muslimin)がウェブサイトに犯行声明を掲載した。
現地メディアによると、軍政はテロ組織に指定している武装勢力がこの市場で家畜を売買しているとして、閉鎖を命じたようだ。
JNIMはバマコ郊外の軍施設と空港を攻撃したと声明を出している。軍政は「武装勢力がバマコの士官学校に潜入しようとしたため、軍による掃討作戦を展開し、テロリストを無力化した」と報告したが、死傷者には言及していない。
マリの家畜市場の多くがフラニ人によって運営されている。フラニ人はセネガルから中央アフリカ共和国まで広がる、世界最大の半遊牧民族と考えられている。
また、マリのイスラム過激派グループは主にフラニ人で構成され、他の民族から汚名を着せられている。
軍政は19日遅くの声明で、「バマコ市内にある7つの家畜市場は公共の秩序を維持するため、閉鎖される」と述べた。閉鎖期間は不明である。
西アフリカのマリ、ブルキナファソ、ニジェールは10年以上にわたってサヘル地域に拠点を置くアルカイダやイスラム国(ISIS)系組織と戦ってきた。
この3カ国の軍政は旧宗主国フランスや米国との関係を断ち、ロシアに急接近。マリ軍政はロシアの民間軍事会社ワグネルと契約を結び、民間人を巻き込みながら過激派を掃討している。
しかし、マリ軍政は過激派の抑え込みに苦労しており、今年7月にはワグネルとみられるロシアの傭兵少なくとも50人がJNIMの待ち伏せにより殺害されている。