◎サヘル紛争の主戦場であるマリでは、この2年で2度軍事クーデターが発生した。
2019年8月29日/マリ、首都バマコ、国連の平和維持ミッション(Getty Images/AFP通信)

国連は1日、西アフリカのマリで平和維持ミッションの部隊が何者かに攻撃を受け、兵士1人が死亡、3人が負傷したと明らかにした。

マリ北部のサヘル地域でイスラム過激派組織の取り締まりにあたっている国連マリ多次元統合安定化派遣団(MINUSMA)の報道官は、「部隊の車列が攻撃を受けた」とツイートしている。

報道官によると、車列は約1時間、小銃とRPG(ロケットランチャー)による攻撃にさらされたという。

アフリカニュースはMINUSMA当局者のコメントを引用し、「死亡したのはヨルダンの要員」と報じている。それによると、容疑者は特定されておらず、当局者はテロ攻撃と断定した。

MINUSMA報道官は死亡した兵士に哀悼の意を表した。

MINUSMAはマリの安全保障を支援するために2013年に創設され、兵士約1万3000人が活動している。この部隊は国連平和維持ミッションの中で最も多くの人的被害を被っており、作戦開始以来170人以上が死亡している。

サヘル紛争の主戦場であるマリでは、この2年で2度軍事クーデターが発生した。1回目は2020年8月、2回目は2021年5月、首謀者は暫定大統領に就任したゴイタ(Assimi Goita)大佐。

マリの政治危機は2012年から続く深刻な治安危機と、北部で活動するジハード主義者の反乱が関係している。

同国は旧宗主国フランスとの関係を事実上断ち切り、ロシアとの関係を強化している。ロシアの民間軍事会社「ワグネル」はサヘル地域で発生した複数の民間人虐殺に関与したと疑われている。

2022年1月14日/マリ、首都バマコ、フランスの制裁に抗議するデモ(Getty Images/EPA通信)
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