マリ軍政がクーデターを阻止、フランス人スパイなど逮捕=報道

現地メディアは今週、軍政が30人を超える兵士と軍関係者を逮捕したと報じていた。
2021年5月30日/マリ、首都バマコ、暫定大統領に就任したアシミ・ゴイタ大佐(Getty Images/AFP通信)

アフリカ西部・マリの軍事政権は14日、国を不安定化させようとしたとして、将軍2人とフランス人スパイとみられる人物を含む軍人および民間人のグループを逮捕したと発表した。

現地メディアは今週、軍政が30人を超える兵士と軍関係者を逮捕したと報じていた。

軍政の報道官は14日の夕方に放送された国営テレビのインタビューで、「徹底的な調査が進められており、状況は完全にコントロール下にある」と語った。

軍指導部は2020年と21年のクーデターで政権を奪取。それ以来、ゴイタ(Assimi Goita)大将が最高指導者として国を率いている。

ゴイタ氏は同国北部と中央部の大部分を支配するイスラム過激派を一掃し、安全保障の回復を約束したが、暴力が収まる見通しは立っておらず、むしろ悪化しているように見える。

今年5月には首都バマコで小規模な民主化デモが行われていた。

軍はクーデター計画に関与したとされる人物やその内容、関与したフランス人など、詳細をほとんど明らかにしていない。

軍政の報道官はこのフランス人について、「フランスの諜報機関の代理として、我が国の政治指導者、市民社会関係者、軍関係者らを動員した」と述べた。

フランス政府はコメントを出していない。

国営テレビによると、クーデター計画に関連する取り締まりは8月1日から始まったとい。国営テレビは容疑者とされる11人の顔写真を公開した。

マリとその隣国ブルキナファソとニジェールは10年以上にわたって国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)系組織と戦ってきた。

マリ北部を含む広大なサヘル地域では多くの過激派が活動している。

3カ国の軍政はフランスを含む西側諸国との関係を断ち、紆余曲折の末、サヘル諸国連合(AES)を形成し、ロシアに急接近。今年1月末に西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)から正式に脱退した。

軍人や政界関係者で構成される全国評議会は先月、ゴイタ氏の大統領就任を全会一致で採択。必要に応じて好きなだけ任期を延長でき、選挙は必要ないとした。

これにより、ゴイタ氏は少なくとも2030年まで軍政を率いることが確定した。

軍政は5月、すべての政党と組織を解散させ、集会を禁じた。

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