◎マリ北部サヘル地域のインターネット通信は機能しておらず、電話も通じにくいため、現地の状況を把握することは難しい。
西アフリカ、マリ当局は9日、イスラム国(ISIS)とつながりのあるジハード組織が北東部地域に攻撃を仕掛け、市民数十人が殺害されたと報告した。
AFP通信によると、攻撃を受けたのは北東部の町タラタイ(Talataye)で、ジハード組織と別の武装勢力の戦闘が発生し、市民が巻き込まれた可能性があるという。
アフリカニュースは、「マリ北部サヘル地域のインターネット通信は機能しておらず、電話も通じにくいため、現地の状況を把握することは難しい」と報じている。
AFP通信は地元当局者の話を引用し、「民間人45人が死亡した」と報じた。
この戦闘に関与したとみられる武装勢力の広報担当はAFPに、「テロリストは民間人30人を殺した」と説明している。
地元当局者と武装勢力はタラタイの市場や民家が焼けたと説明する一方、被害の全容は確認できていないとした。
武装勢力の報道官は「ISIS、アルカイダ系組織、この地域の警備を担当するその他の武装勢力が入り乱れている」とした。
AFP通信はサヘル紛争に詳しい専門家の話を引用し、「北部の町がISIS系組織の大規模攻撃を受けたのは初めてみられる」と報じた。
一方、マリの軍事政権は6日にこの地域のテロリストを空爆したと明らかにした。
首都バマコのメディアは軍当局者の話を引用し、「北部で対テロ掃討作戦が続いている」と報じたが、空爆の対象がタラタイのジハード組織かどうかは不明。
北部の最大都市ガオに拠点を置く人道団体は9日、「住民を助けてほしい」とSNSに投稿した。
マリ、ニジェール、ブルキナファソで今年過激派に殺害された民間人は7月末時点で2000人を超え、昨年の通年を上回った。