▽アフリカ第3位の金産出国であるマリではこのような事故が相次いでいる。
アフリカ西部・マリの南部にある金鉱山で先週発生した土砂崩れについて、地元当局は1日、3人の子供を含む13人の労働者が死亡したと明らかにした。
それによると、事故は南部クリコロ州の郊外にある金鉱山で1月29日に発生。砂金を探していた労働者たちが土砂と濁流に巻き込まれた。
国営テレビは軍事政権当局者の話しとして、「採掘現場を取り囲むように設置された堤防の一部が壊れ、土砂と水が流れこんだ」と報じていた。
ロイター通信の取材に応じた当局者は1日、「露天掘り金鉱山の貯水池の水門が壊れ、トンネル内に濁流が流れこみ、砂金を探していた子供や女性が巻き込まれた」と語った。
それによると、地元住民が土砂をかき出し、1日かけて13人の遺体を収容したという。
アフリカ第3位の金産出国であるマリではこのような事故が相次いでいる。特に遠隔地の無許可鉱山では安全対策が無視され、死者が出ても報告されないことが多い。
24年1月には首都バマコに近い南西部の金鉱山で崩落があり、70人以上が死亡したと報告されている。
マリ北部では近年、無許可の金鉱山がサヘル地域に拠点を置くイスラム過激派の資金源になっているとみられ、懸念が高まっている。
世界銀行によると、マリの貿易輸出に占める金の割合は80%を超え、人口の10%以上にあたる200万人以上が鉱業部門で働いている。
アフリカ西部でこのような無許可金鉱山は珍しくなく、特に軍事政権の支配下に置かれる国では多くの子供や女性が砂金集めで何とか生計を立てている。
無許可鉱山に安全対策という概念はなく、職人たちは好きな場所で好きなように砂金を探す。