◎マリ北部では先月末、ロシアの民間軍事会社ワグネルの傭兵とマリ兵数十人が反政府勢力に殺害されたとみられる。
マリ軍政がウクライナとの外交関係を断絶した。国営テレビが5日に報じた。
それによると、軍政の報道官は4日付けの声明で、ウクライナがマリ北部の反乱に関与していると示唆したことを受け、直ちに国交を断絶したという。
ウクライナ国防省情報総局(GUR)の報道官は先週、マリの武装集団は7月末に行った攻撃に関する情報をウクライナ側から受け取っていたと明らかにした。
マリ北部では先月末、ロシアの民間軍事会社ワグネルの傭兵とマリ兵数十人が反政府勢力に殺害されたとみられる。トゥアレグ族で構成される反政府勢力が犯行声明を出している。
ウクライナ外務省は5日、マリ軍政は何の連絡もなく、ウクライナがその攻撃に関与したという証拠を示すことなく、一方的に国交を断絶したと声明を出した。
マリの隣国セネガルもウクライナを非難している。
セネガル外務省は週末、駐ウクライナ大使を召喚。同大使館がマリの反政府勢力を支援していると非難した。
ウクライナ大使館はフェイスブックアカウントに投稿した動画で、「マリ北部におけるワグネルへの攻撃を支持する」と表明していた。この動画はすでに削除されている。
西アフリカのマリ、ブルキナファソ、ニジェールは10年以上にわたってサヘル地域に拠点を置く国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)系組織と戦ってきた。
この3カ国の軍政は旧宗主国フランスや米国との関係を断ち、ロシアに接近。マリ軍政はワグネルと契約を結び、民間人を巻き込みながら過激派を掃討している。