◎マリを中心とするサヘル地域では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)系の過激派が猛威を振るっている。
西アフリカ・マリの地元当局は23日、全土でテロ攻撃が多発し、民間人少なくとも10人と軍兵士3人が死亡したと明らかにした。
軍政の報道官はSNSに、「聖戦士によるテロ攻撃が再燃した」と投稿。22日にイスラム過激派とみられるテロリスト88人を無力化したという。
AFP通信は治安筋の話を引用し、「中部モプティ近郊の空港付近で自動車爆弾が爆発し、民間人少なくとも10人が死亡、61人が負傷した」と報じている。
陸軍の基地近くにある集落でも爆弾テロとみられる爆発が確認された。地元の慈善団体は少なくとも3カ所で爆弾が爆発し、軍兵士3人が死亡したと報告している。
モプティの住民はAFPに、「ジハード戦士は22日早朝にテロを決行したようだ」と語った。「午前5時30分頃に知人の電話で大変なことが起きたと聞きました」
「私は空港近くの爆発現場に行き、警察と自治体に連絡を入れた後、近くの基地に行って爆弾が爆発したと兵士に伝えました。その後、午前6時頃に兵士たちがやってきて、一緒に遺体を収容しました...」
マリを中心とするサヘル地域では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)系の過激派が猛威を振るっている。
マリ軍は2012年から近隣の同盟国およびフランスとこの紛争を戦ってきた。紛争に巻き込まれ難民になった民間人は数百万人、死者は1万人以上と推定されている。
2020年のクーデターで政権を握った軍政は同盟国とフランスから離れ、ロシアとの関係を強化した。
軍政は昨年、ロシアの民間軍事会社ワグネルと契約を結び、過激派の掃討を本格化させた。この地域で活動するワグネルの傭兵は過激派だけでなく民間人も虐殺したと告発されている。