◎マリ軍は北部と中部で蔓延する暴力に対処できず、その影響は近隣諸国に広がっている。
マリの軍事政権は16日、首都バマコ近郊の検問所が襲撃を受け、警察官を含む6人が死亡したと発表した。
マリ北部のサヘル地域で活動するアルカイダやイスラム国(ISIS)関連組織の暴力がバマコに及ぶことはほとんどない。
軍報道官によると、ジハード主義者は14日夜にバマコ近郊の検問所を襲撃したという。この攻撃で警察官3人と民間人3人が死亡、2人が負傷した。
報道官は声明で、「正体不明のジハード主義者による攻撃」と述べている。
この検問所の近くでは6月末にもパトロール部隊が待ち伏せ攻撃を受け、警察官1人が死亡している。
マリ軍は北部と中部で蔓延する暴力に対処できず、その影響は近隣諸国に広がっている。サヘル紛争の死者数は数千人と推定され、数百万人が避難民になった。
マリの軍事政権を率いるゴイタ(Assimi Goita)大佐は2020年8月と昨年5月の軍事クーデターを主導し、ECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体)に厳しい制裁を科されたが、ECOWAS首脳は今月、制裁解除で合意した。
ゴイタ氏は旧宗主国のフランスや近隣諸国との関係を断ち切り、ロシアとのつながりを強化している。マリ軍と契約を結んだロシアの民間軍事企業「ワグネル(Wagner)」はジハード主義者だけでなく民間人も虐殺したと告発されている。
フランス・テレビジョンによると、仏軍は数週間以内にマリから完全撤退する予定だという。新たな前線基地はニジェールに設置される。